「適正な申告」と「最も有利な申告」

地方公共団体の消費税の申告は、①地方公共団体特有の取引の課否判定が難しく②特定収入による仕入控除税額の調整計算が必要となるため、消費税の高度な専門的知識が必要不可欠です。


 しかし、消費税の専門的知識だけでは、適正な申告はできるものの、納税者(地方公共団体)に最も有利な申告の作成はできません。


最も有利な申告書を作成するには、将来の事業の展開状況を考慮しつつ消費税額を試算し、最も有利な制度を選択して事前に届出する必要(消費税法においては、事前届出が原則)があります。


また、地方公共団体の場合は、通常「課税売上、非課税売上、特定収入(使途が特定されているもの)、特定収入(使途不特定のもの)、課税仕入(課税売上に要するもの)、課税仕入(非課税売上に要するもの)、課税仕入(共通用)、課税仕入以外の支出、地方債等の償還状況など」の予測が必要となります。

 一方、消費税の制度の選択及び計算方法の選択については、「簡易課税制度の選択」のほかに、「課税事業者の選択」、「仕入控除税額の計算方法の選択(個別対応方式と一括比例配分方式)」、「不課税収入の使途を特定するかどうか」の選択などがあります。